マリーアントワネットの影武者になれる歴史ゲーム『薔薇に隠されしヴェリテ』が面白い!!
今回は、なんと“マリーアントワネットの影武者”になれる!体験できる!
『薔薇に隠されしヴェリテ』を語っていこうと思います。
こちら、シナリオライターさんが『華ヤカ哉、我が一族』で有名な高木亜由美さんなんですよね。こちらの人気作に比べると、『薔薇に隠されしヴェリテ』の方はあまり知られていない印象なのですが、わたし個人としては、薔薇ヴェリの方が作品全体のお洒落さや、重厚なシナリオ面で勝っていて、好きでした。
▼こんな方におすすめしたい!
・大河ドラマが好き!
・フランス史を勉強中
・お洒落な乙女ゲームがやりたい
・主人公の半生を追える乙女ゲームがやってみたい
そう、中でも、
フランス革命前後を勉強中な方の教材になるレベルで、
しっかりと歴史が知れます! 時代も、革命前の不穏な空気感から、革命後の法律家たちの台頭までが丁寧に描かれています! 比重として、
歴史>>>恋愛
という感じなので、この点は乙女ゲームとしてはどうなんだろう(笑)という部分でもあり、いわゆるラブストーリーとしての糖度はめちゃくちゃ低いので、
正直、かなり好き嫌いは分かれるかなと思いました!!!
けれどその分、丁寧に当時の時代考証がされ、生活の様子、例えば庶民がよく食べていたパンの種類などまで詳しく描かれる分、
没入感がすごかった!!
ヴェルサイユ宮殿の様子だったり、王族貴族間の人間関係やパワーゲームについてもちょっと変態的なくらい(笑)めちゃくちゃ丁寧に描かれるので、
まじで“マリーアントワネットの影武者”気分を味わえた!!
このゲームの魅力はそれに尽きます。マリーアントワネットの大河ドラマに参加している感覚になれて、ミニゲーム、シナリオ両面ですごく良かったです。
まず、どんなお話かというと、
▼ざっくりとあらすじ
主人公はマリーアントワネットにお仕えする使用人の女の子。事情があり、「身代わりの薬」を使って影武者となり、
ヴェルサイユ宮殿で過ごします。その上で、様々な問題を乗り越え恋愛関係に発展していく……といった内容になります。
(正体がバレたら最悪処刑されるかもしれないドキドキ感の中で恋愛していくので、距離を縮めようにも、安易に踏み込めないという葛藤が、すごく乙女ゲームとして楽しい部分でもありました。)
▼ヴェルサイユ宮殿を探索できるミニゲーム
これ、すごくないですか? ヴェルサイユ宮殿をマップで探索できる
ゲームって、わたし他には出会ったことないです笑
こんな感じで、最新のグラフィックと比べると時代を感じるレトロな印象ですが、
部屋数がめちゃくちゃあって、各部屋で、例えば、マダム達が悪口大会を開いていたり、メイドと貴族の逢瀬があったりと、細かくドラマが設定されてあるんですよね!すごい!
▼実際にヴェルサイユ宮殿でお勤めしていた歴史上の人物
実際にマリーアントワネットの髪結を担当していた“レオナール・アレクシス・オーティエ”や、仕立て屋“ローズ・ベルタン”がモデルのキャラクターが登場し、お喋りできます。
歴史好きにはたまらなく嬉しい!!!
▼豆知識を語ってくれる
そう、このミニゲームの魅力の一つが、クエストを達成していく過程で、
モブキャラが『ヴェルサイユ宮殿に関する豆知識を教えてくれる』
ということです。
『華ヤカ哉、我が一族』でも、
使用人として大正時代の銀座の街を探索するミニゲームがあり、こちらも最初は楽しかったのですが、ここで発生する“お手伝い”は依頼人に頼まれた者を別の場所にいる誰かに届ける、という単純作業ゲーで、あまり意味を感じられずに飽きてスキップしてしまっていました。
それが、こちらでは、豆知識を語ってくれるので、
より時代感に入り込み、ヴェルサイユ宮殿を味わえるという意味で楽しかったです。
▼ミニゲームのおまけ要素
また、おまけ要素として、
《アバターの髪型を変える》《髪飾りを変える》
という二つのことが出来ます。拾ったものを身につけられたりするのがちょっぴり嬉しかったです。
さて、以下、肝心のストーリーについて語っていきましょう。5人のうち、特に印象に残った1人を抜粋させて頂きます。
まず、マリーアントワネットの伴侶であり、世界史でも習うフランス革命を象徴する人物、
▼ルイ16世
ルイ16世に、皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか?
錠前ヲタクの根暗で、超奥手なぶっきらぼうゆえ、王妃マリーアントワネットにも浮気されてしまい、
彼女の浪費を止めるどころか助長してしまった王様という、
残念なイメージの方が強いのかな?と思います。
実際、わたしが最初にマリーアントワネットを知るきっかけだったソフィアコッポラ監督のこの映画では、優しいけれど、物足りない夫という役柄でした。
『薔薇に隠されしヴェリテ』でも、この人物像に近いルイ16世が描かれていんですが、
だというのに、その印象が180度変わりました!!!
どうしてかというと、派手好きでパーティー大好きなマリーアントワネットの夫としてのルイ16世は、確かに陰鬱で奥手な部分が目立ってしまっても仕方ないのでしょうが、
おっちょこちょいで変人の主人公ちゃんの隣にいると、ひたすら頼もしく見える!!!
これに尽きます(笑)人前に出たり、目立つことを嫌う人物でありながら、主人公を助けようと動いてくれる男気があったり、そうかと思えば、冷たくあしらわれたり、
猫系男子かな?というような新たな魅力を主人公ちゃんが引き出してくれて、今までみたことないルイ16世像がとても良かったです♪
そして、良くも悪くも印象に残った点が以下です。
▼奥手にも程がある(笑)《以下ネタバレ含みます》
そうなんですよね。こちらの作品、《史実エンド》と《IFエンド》が両方用意されているのですが、《史実エンド》に関しては、その名の通り、史実の通りの結末を迎えますよね?
そして、ヒロインちゃんもずっとルイ16世に寄り添っている、彼にとってなくてはならない存在にはなっているのですが、処刑まで残り約10分というところまで、恋愛関係に進展していません笑
少なくともわたしはそう感じました。処刑というものすごく重要な場面に、命懸けで連れそうヒロインちゃんですが、その状況まで、
(私は彼にとってどんな存在なんだろう?)
と、悩まさせられているの、ちょっとヒロインちゃんが不憫過ぎました笑
ここまで7時間以上(めっちゃボリューミーでした! 普通の乙女ゲームの三倍以上はある)2人の幸せを願ってプレイしたわたし、『まじで?!!』と声が出ました。
▼やっぱり大河ドラマっぽい
大河ドラマ『真田丸』の真田幸村と幼馴染のキリちゃんを思い出しました。
“お互いに大切で、一緒にいるのが当たり前だからこそ、
大切すぎるあまり最期の瞬間まで素直になれない”
そんな感じなのかなぁなんて思って、
驚きつつも、むしろ号泣してしまいました。
▼シナリオが重厚すぎて……
《乙女ゲーム》《恋愛ゲーム》と一口には言っても、
恋の形って人それぞれだから、ルイ16世×ヒロインちゃんの恋らしくてすごく素敵な結末だなと思ったんですよね。だって、処刑になる寸前まで、ずっと連れ添いながらキスもしたことない関係って、
ちょっと美し過ぎない?!
と思ってしまって。そしてそれを描ききる重厚なシナリオに感動してしまって……
確かに、現実でも、必ずしもイチャイチャ×ラブラブなカップルが深い愛で結ばれているとは限らないですものね? いや、アツアツで素敵なカップルももちろんいるけれど、
それでも、表面的なスキンシップがなくても、
これまで深く心の部分で繋がってきた2人って尊過ぎるなと思い、
個人的にものすごく感動しました。歴史ゲームとして『薔薇に隠されしヴェリテ』を楽しむなら圧倒的にルイ16世ルートの優勝でした。(乙女ゲームですがけどね笑)
一方、乙女ゲームとして楽しむのなら彼です!!!
▼対照的なフェルゼン伯爵
そして、奥手なルイ16世と対照的な、
“Theイケメン貴公子”のフェルゼン伯爵!!!
マリーアントワネットの愛人として語られ、史実の社交会でも遊び人として名を残す彼ですが、こちらも『薔薇に隠されしヴェリテ』ではまた違った一面、魅力が描かれており素敵なんですよね〜!
気になった方は『薔薇に隠されしヴェリテ』チェックしてみて下さい♪
長くなりましたが読んでくださった方、ありがとうございました!